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2019.0809 O.A 北海道立釧路芸術館 熊谷学芸員「磨崖仏の調査の思い出」 [motto museum]

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熊谷氏が2015年中国四川省に調査旅行に行った時の思い出話をお聞きしました。現地の研究機関と一緒に磨崖仏の調査をなさったそうです。磨崖仏とは、崖に彫り込まれた仏像のこと。仏像を単体で彫り込むこともあるそうですが、たいていの場合は、彫り込んで部屋状になった空間になっているそう。その中にいくつかの像があるそうです。この磨崖仏ですが、大地と一体化しているので、安全な場所で保管しておくことができません。常に野ざらしです。ですから風化もします。古く12~13世紀等にできたと思われる仏像もあったそうですが、その様なものも後世になって作り替えられていたり、最近になって彫り直したんだろうな・・と思われるものもあったそうです。仏像が往時の姿をとどめていないのは美術史的には痛いと思うことも。でも信仰が根付いていて、人々が今もその場所にいらっしゃるということは、それはそれで歴史になります。中には観光地として整備されている磨崖仏もあるのですが、現地の人でないとわからない、知らないという様な山奥にひっそりたたずむ磨崖仏もあるそうです。
四川には今に残る作例が多いのですが、地形的に崖も多いこともあり、この様な形で仏像が作られた背景には、環境的なものもあったのかもしれません。調査では磨崖仏が現在どんな姿をしているのかを調べたそうです。もちろん写真にもおさえますが、その他に文字で記すことも。それが大変だったそう。例えば、どんな顔をしているのか?髪は?服は?手の先は?他にどんな言葉が刻まれているのか等々。2週間の間、朝昼晩、ほとんどの料理が基本激辛で、胃腸が大変だったという思い出付きの調査だったようです。
http://www.kushiro-artmu.jp/

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