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carefully produced [path-art]

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今回は苫小牧在住の金属工芸家・彫刻家の藤沢レオ氏のインタビューを。
2019年海外での活動ができず、2020年は本来はリベンジの年だったはず・・・。
でもご存知の様に自由に行動できない状態が続き、逆に時間ができ自分のスタジオにこもりしっかり制作活動ができたと。
独立してからこんなにスタジオに一人でいたことはなかったとおっしゃっていました。それぞれの作品を少しずつ深めることができたそう。
やってきたことが通じる様になった。コンセプトが伝わりやすくなったと思ったそうです。
生と死をコンセプトにずっと制作活動をなさっていますが、それをより個々人が考える1年だったと思うと。
平時に言っていても伝わらないことが非常時に伝わりやすくなってしまう。少し複雑な気持ちだったそうですが。。。
おそらく個々人が自分の生活を見直し、自分を振り返る時間が増えた結果なのかもしれません。
暮らしを大事にしていこう、命を大事に思っていこうと作ってきたものが、それぞれが考え始め、より作品への理解が深まったと感じるそうです。
「去年はいつもよりも今の僕たちの暮らしって実はとても美しかったり、とても大事だったり、
とても豊かだったりするんですよというメッセージを強く打ち出していました。
でもそれって裏返すとやっぱり自分の命が輝いていくとか、大事な命を大切にしていくとか、そういうことがしっかり裏に隠れているんです。
まずは目の前の暮らしを大事に思うってことに焦点を当てて作品を作ったりメッセージを伝えたりしましたね。」
最近は木を使うことが増えてきたそうです。もちろん鉄に加えて。この木と鉄は真逆の作業。鉄は付け足していく作業が多い。木は削っていくもの。
そこでしかできないことがあるということを試している感じです。今後作品にもじわじわと変化が出てくるかもしれません。
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※尚、写真は藤沢レオ氏からお借りしました。

travel and art go around come back [path-art]

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05.jpg アートで巡る・・旅をする・・・そんな展覧会です。
作家を世界の各地を巡り旅をしてそれを作品に残したものを鑑賞して追体験する。
この土地を再発見するための旅。
「巡る」と「還る」には様々な意味が込められています。
自分が行くことができない土地の様子を作家の目を通して覗いている感じもします。
また、いつも自分がいる土地の様子を作家の目を通して再確認する感じもします。
どちらのテーマでも旅がキーワード。
芸術館が所蔵している作品も、テーマで括るとまた違う角度から作品を鑑賞することができます。
遠くに出かけることができなくても、芸術館の中ではあらゆる旅を感じる、体験することが可能なのです。
ぜひ、土地として時間として旅をする楽しさを味わっていただければと思います。
そして、展覧会の後半には「木島誠悟 絵本のひみつ」展も開催中です。
絵本の原画も含め、北海道立釧路江南高等学校の書道部と連携した作品も展示中です。
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(旅とアート〜巡る・還る展は4/11まで北海道立釧路芸術館で開催中)

pay attention to landmarks [path-art]

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前回のテーマは「水」でした。今回は「ランドマーク」がキーワード。
切り口で作品が集められる・・これは学芸員の腕の見せ所・・・かな?と思います。
記憶に新しいノートルダム寺院の火災。その在りし日の姿を違う作家が、たまたま同じ構図で描いています。
あまりにも有名ですが、やはりその壮大な姿に圧倒されます。
そして、同じ作家が違う土地を描いているのですが、同じ油彩でもタッチが、色彩が違うもの。
ある意味、比較して鑑賞することも面白い展示だと思います。
ランドマークとは・・・陸標、灯台、鉄塔の様な土地における方向感覚の目印になる建物、国、地域を象徴するシンボル的なモニュメント、
建物、空間を意味する。また、広い地域の中で目印となる特徴的な自然物、建物や事象も含まれる・・・とあります。
ですから今回の展示には、収蔵作品の中から「建築」「山」「海岸線・岬」「橋・岸壁」のテーマで17点のランドマークが紹介されています。
14人の作家による多彩な表現、そこにある空気を感じることのできる展覧会だと思います。
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(ランドマークに注目展は3/28まで釧路市立美術館で開催中)

beyond everyday [path-art]

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一見すると?という作品たちの数々。
でもじっくり見ていくと・・・観る人達の想像をかきたてる作品の数々。
作家たちが色々なメッセージを作品の中に詰め込んでいます。
無機的な、あるいは有機的な形をもつモチーフに作者の思いを託したり、
異なる場所や時間に存在する身近かなものを同じ画面に配置したり。
現実では見られない世界が作品になって表現されています。
表現する対象の選択や構成方法によって、思いがけない方法で記憶が組み合わされた夢のように
観る側にとって様々な感情が沸き起こる・・・。
非日常の世界が突如として現実のものに見えるかもしれません。
また、想像を膨らませると、身の回りにある世界、今の世の中を捉えなおすきっかけにつながるかもしれません。
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※尚、写真は北海道立帯広美術館 耳塚里沙氏からお借りしました。
(イマジネーション〜日常の彼方に展は3/21まで北海道立帯広美術館で開催中)

gaara solo exhibition [path-art]

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22歳初の個展です。緊張しているとおっしゃっていましたが、今出来得る全てのことを集約してこだわり抜いた作品展。
ただ、どこにこだわったのか、そのストーリーや工夫を考えずに見て欲しいと。
絵を描いたり、写真をコラージュしたり、小説や詩を作ったり、あらゆるジャンルの作品を制作なさっています。
今回は絵画と写真が半々。そこに詩や小説が置いている感じとのこと。
「やはりとは思いますが、ご覧になった方々は様々な感想をお持ちで、これが好き、あれが良いとバラバラな感じです。人の感性は様々だとあらためて感じました。」
タイトルの我粗。こちらはgaaraという音の響を重視したそうで、現在の自分、飾っていない、そのままを見て欲しいという気持ちがそこに現れていると思います。
実はこだわりや工夫もたくさん会場にはあるのです。
ただ、それはあまりお話ししたくないそう。と言いつつ2~3お聞きしましたが・・。
彼自身は、作品の奥行きやストーリーを作りたくないそうです。なんとなく理解できる気がします。
地元での初の個展なので、今までの22年間の全て、そして今回の会場でできることはやり尽くしたと。。。。。
でも何も考えずに見て欲しい。心で見て欲しいとおっしゃっていました。
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※尚、写真は小野敬大氏からお借りしました。
(keita ono solo exhibition 我粗展は3/13まで阿寒 鶴雅鄙の座 野の花ギャラリーで開催中)

revive・・・that sound and that smell [path-art]

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あの時の後音や匂い、空気が感じられるそんな展覧会です。
石川隆氏が廃線が決まった石炭列車を撮り続けました。
線路がなかなか枕木から離れない・・・
警告灯の向こうに作業の合間に集まる人たち・・・
今は使われていない貯炭場におちる夕日・・・
けあらしむせぶ港に悲しげに映る貯炭場・・・
「釧路が大好き」とおっしゃる石川氏の想いが伝わってきます。通常は自然風景をモチーフにすることが多いそうです。
一つ一つのキャプションも彼が手作りなさったそう。そこに書かれた文章からも愛情が伝わってきます。
単に列車を撮っただけではなく、
そこにあった証、そこに生きた証、色々な息遣いさえ聞こえてきそうです。
ご覧になった方々はそれぞれに思うことがあるのではないでしょうか・・・
寂寥感漂うだけではない何かを感じ取ることができると思います。
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(廃止への路 石川 隆写真展は2/28まで釧路市立博物館 マンモスホールで開催中)

ikeda midori exhibition [path-art]

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_Y2A4114.jpeg 池田緑氏の過去から現在までの作品を全て網羅した展覧会。
ジーンズをモチーフに制作なさってからプラスティックテープ、そしてマスク・・・と素材を変え、
様々な作品を作り続けていらっしゃいます。
釧路にもゆかりのある作家のひとり。
高校では国語を教えていらっしゃいました。
池田氏の作品には身近な素材もアートの作品になり得るという思いが込められています。
そしてそこには必ず言葉・文字が関連しています。
今まで生きてきた証。それがアートとともに形造られています。
本格的に制作をスタートしたのが50歳。
「人生一度しかないので、何かを始めるのに遅いということはないと思います。」
実は今回の展覧会は集大成という気持ちだったそうですが、新作の評判がとてもよかったので、
まだまだ制作を続けていこうとあらためて思ったそうです。
油彩、立体造形、インスタレーション。
どの作品からも彼女の生きてきた歩み、そしてその時間を大切に思う気持ちがあふれています。
今の社会で感じること、その社会で自分が足を踏ん張り立っている姿。
作品からあなたは何を感じ取るでしょう。
※尚、写真は池田緑氏からお借りしました。
(池田緑展は3/21まで北海道立帯広美術館で開催中)




with LOVE [path-art]

たくさんの想いがつまっています。
医療従事者の方々にエールを送ることができないだろうかという私の1本の電話に「早速やりましょう!」と快諾してくださった
北海道教育大学附属釧路中学校 美術教諭 更科結希氏。
生徒さんに「医療従事者の方々が大変な思いをして釧路の医療を守ってくれています。
私たちが、毎日安心暮らしていられるのは、命を守る砦があるからです。
アートは、人々の心を安心させられたりメッセージを伝えることができます。
ぜひ、みなさんでアートの力で応援しませんか?」と伝えてくれました。
そしてそれぞれが感じた、伝えたいことを写真と言葉で表現してくれたのです。
01側.jpg02真野1.jpg 03真野2.jpg04有田.jpg 05石井.jpg 06千葉.jpg07背戸田.jpg
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11原.jpg12原2.jpg13菅野.jpg14竹内.jpg
一人一人が少しでもこれをご覧になった方が癒される様、
元気が出る様、応援している気持ちが伝わる様に・・・
一生懸命考え表現してくれた作品の数々、この想いは絶対伝わると信じています。
今回のpath-artでは、北海道教育大学附属釧路中学校 2先生の美術の授業で取り組んでいただいた模様、作品に関して
2年生を代表して10人の生徒さん(側さん、真野さん、有田さん、石井さん、千葉さん、背戸田さん、大城さん、原さん、菅野さん、竹内さん)と
美術教諭の更科結希氏にインタビューさせていただきました。


paintings related to water [path-art]

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IMG_0856.jpg 水といった何を思い浮かべますか?
色々ありますよね?
今回は釧路市立美術館のコレクションを水をテーマに切り込んだ作品たちが並んでいます。
釧路にはすぐ側に海があります。
釧路にゆかりのある作家さんばかりですので、やはり海に関するものが目立ちます。
ただ、海といっても季節、時間、波の感じは様々。
4つのコーナーに分かれていますが、作家の視点がとても面白く興味深いです。
海辺、霧や雪や氷、漁船が集まる港、そしてイメージとしての水。
画材も様々ですが、何より水があるその場で作家を何を感じ取り、
どう表現したのかに注目するとより楽しめる展示だと思います。
自然をテーマにした作品は世の中にたくさんありますが、その中でも水のフォーカスすると釧路がたくさん見えてきます。
こんなにも素晴らしい題材が釧路にはあることをあらためて実感する内容です。
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(美術の中の水展は2/14まで釧路市立美術館で開催中)

visualize what you can't see・・・akira wakita2 [path-art]

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脇田玲氏のインタビュー前回の続編です。
自分の手で作品を作り、その作品を通じて人と対話をする。
ダイアログをいかに誘発していくかに重きをおく様になったことが、今までとの違い。
人は死を意識すると様々なことを考え、追求するのです。
サイエンスは普遍性を大事にする。
アートは個人の特異性、ユニークさ。ユニークな個人が世界をどう見ているかを発信していく行為。
両者は対極にある様に見えるのですが、実は科学者が追求していることと、アーティストが追求していることは、
広い意味での原理・行為・世の中の法則みたいなものとおっしゃいます。
「芸術家が表現しているもの、追求しているものと、実は科学者が言うところの法則や原理と近いのでは?と思うのです。」
目指しているものは一緒なのでしょうか?こちらは寺田寅彦氏のエッセイをご紹介いただき、彼の考えもお話ししてくださいました。
これからのアートの果たす役割は?との問いに非常に重要な問いだと・・・。
人間の対立・分断はますます深まっていくと思う。なぜなら1ステップで誰とでも繋がるツールだから。
理解しがたい相手の間でさえ、対話をしようと・・必要と思う行為。
理解しがたい相手を理解しようと思う行為こそがアートの本質ではないかと思うとおっしゃっていました。
「見えないものを可視化する制作はこれからも続くと思うのですが、一方で全く違うものにもチャレンジしたいですね。
覆面アーティストとして、もっと社会性の強い作品を作ったり、
人様に迷惑のかからない範囲でゲリラ的に何かを置いてみるとか・・・とても興味がありますね。少し尖ったこともしてみたい気持ちがあります。」
とても刺激的で、興味深く、時間の経つのを忘れる位、充実した収録時間でした。
今後も機会があれば、色々なお話しを伺っていきたいと思います。
※尚、写真は脇田玲氏からお借りしました。

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