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2019.0201 O.A 釧路市立博物館 城石学芸員 「イリリプとハイ」 [motto museum]

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スタジオに何やら枯れた植物の茎と思われるものと、織り機で織られたものをお持ちくださった城石氏。今回はイラクサのお話しです。そもそもイラクサとは、この周辺でもたくさん見ることのできる植物です。主に多いのはエゾイラクサ。そしてスタジオにお持ちくださったムカゴイラクサ。アイヌ語ではエゾイラクサはイリリプとかモセと呼ばれ、ムカゴイラクサはハイと呼ばれていたそうです。イラクサの仲間はたくさん。いずれにも植物全体にトゲがあります。トゲにはギ酸を含まれていて、トゲ自体もシリカという一種のガラス針で、皮膚の中で砕けるそう。その為にトゲに触れると非常に痛く、しかもその痛みがしばらく続くのです。ですから加工するには植物が枯れる時期、トゲがとれた冬のはじめ頃に採集し、それを湿らせて皮を剥ぐのです。そして中身は捨て、外側の皮の内側だけを使うのです。それを撚るとイラクサから糸が作れるということ。エゾイラクサは大きく、茎も太いので主に丈夫な縄を作る材料として、またムカゴイラクサはエゾイラクサよりも小さく繊細な感じで着物の刺繍糸や縫い糸として使われたそう。このイラクサから作られた繊維を弓の弦、荷縄、狩猟用の矢筒、衣服などに利用したのです。以前、ワークショップで作られたイラクサの繊維を使い小さな壁掛け?を拝見したところ、イラクサの繊維はモスグリーン、グリーンとグレイが混ざった様な色をしていました。自然の色、優しい色です。衣服として着用したらゴワゴワした感じなのかな?と思ったのですが、意外にも柔らかいそうです。アイヌの方々がその繊維を利用して生活していた姿を想像しながらイラクサをじっくり観察したくなりました。
https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/

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