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stories drawn [path-art]

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絵画は古くから神話や歴史書、文学や詩などに着想を得て、その世界を造形化してきました。
時にはその作品の内容の理解を助ける役割を果たしたり、また時には言葉で表現されたもの以上に見るもの者の感情に訴えかける、
独立した表現世界を展開してきたのです。
今回は、帯広の美術館の収蔵コレクションの中から、聖書や神話、詩、文学などを題材にした作品を展示しています。
例えば、レンブラント。光と影の明暗を明確にする技法を編み出し、様々な作品を残しました。
「羊飼いに現れた天使」では画面左上に天使が描かれ、右下には羊飼いが描かれています。
暗がりの中に色々なモティーフがあり、見れば見るほど発見があると野田氏。
増田誠の「ギリシャ神話 ヘラクレスとクレタの牡牛」は、赤と黒で描かれた作品。
逞しい男性が大きな牡牛をめがけて棍棒を振りかぶり、手足がピンと伸びています。そこからは力強さが伝わってきます。
物語を知ってから見るともっともっと世界が広がります。
さらに矢柳剛の「飛んだエンピツ」は十勝の小学生が作った詩を集めた雑誌「サイロ」に掲載された8編に絵を添えたものだそうです。
彼は鮮明な色と簡潔な形によるモティーフを大胆に組み合わせた作風で有名な作家です。
作品を単体で鑑賞するもあり、物語を知ってから作品を鑑賞するもあり。またその逆も。
作家がどういう捉え方で作品を作ったのかを想像するのもあり。
どういう見方をしても奥が深い展示内容、面白い鑑賞方法かな?と思います。
鑑賞方法次第で一つの作品がどんどん深まり、その奥深さに魅せられる方は多いのではないでしょうか。
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※尚、写真は北海道立帯広美術館 野田佳奈子氏からお借りしました。
(描かれた物語は2019.3/31まで北海道立帯広美術館で開催中)

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