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2020.0619 O.A 北海道立釧路芸術館 藤原学芸員 「美術との出会い方」 [motto museum]

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小さい頃からお母様と一緒に美術館に行くことがあり、その時のお決まりのコースが最後にミュージアムショップで絵葉書を買って記念に持ち帰ることだったそう。最初に着任したのが帯広美術館。当時開館10周年を控えて準備を進めているところで、その記念プロジェクトの一つにボランティアの会の方が絵画を買って寄付してくださるということがあったのです。帯広美術館ではコレクション方針の一つに、田園風景や農村の生活の様子を描いた西洋の美術があり、この方針に沿う作品として、とある絵が候補にあがっているというタイミングだったそう。彼女はその作品に関する調査票(タイトル、サイズ、技法・材質・来歴等)といって作者や作品に関する情報を一枚のペーパーにまとめる仕事を上司から命じられました。資料としてその作品のカラー写真を見ていたところ、何か既視感を覚える絵だったと。。「でも19世紀のフランスの風景画なら似たような絵がたくさんあるかも」と思いながらも妙に引っかかり、帰宅後に昔から展覧会で買いためてきた絵葉書の箱を探したところ、なんと、まさしくその絵が印刷された絵葉書が出てきたのです。ジュール・ヂュプレによるベリー地方の農家という作品。1830年代に描かれたものとのこと。牧歌的で穏やかな雰囲気が漂う作品、当時はおそらくそれが気に入って買い求めたのでしょう。ということは、実際の作品も目にしているはず・・・。実はそれが気になり過去の展覧会を調べたところ、その作品は出品されていなかったのです。「絵葉書の様な印刷物、今であればインターネットを通じても美術を楽しむ機会が増えているのですが、その様な体験も美術とのかけがえのない出会い方の一つだと思うのです。」 
http://www.kushiro-artmu.jp/

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