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2020.0918 O.A 釧路市立博物館 土屋学芸員 「今年の夏の夜の風景」 [motto museum]

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今年はいつもの年に比べると、キャンプに行かれた方も多かったと思うのですが、何か気づいたことはありますか?夜の灯りに集まる虫が少ないと感じませんでしたか?と土屋氏。クワガタムシ等夜に活動する虫の多くは、気温が低かったり、月明かりで明るい夜には灯りにあまり集まらないそうですが、今年少なかったのは他にも大きな原因があるとのこと。実はLED照明の急速な普及にあるそうです。昆虫は人間と違って、紫外線という光を見ることができます。これまで外灯によく使われていた水銀灯や蛍光灯は紫外線を多く出すそう。また、夜活動する昆虫の多くは明るい方が体の上になる様に飛ぶのです。そのため水銀灯や蛍光灯があると、灯りに集まってくるのです。でもLEDは紫外線を出しません。人間には明るく見えるLEDの光も昆虫にはほとんど見えないそうです。このLED照明の普及を後押ししているものの一つに「水銀に関する水俣条約」という国際条約があるのです。水銀製品による健康被害や環境汚染を防止するための国際条約で、2017年に効力を発揮しました。この条約の中では2020年、つまり今年までに水銀を含む製品の製造や輸入を禁止することが定められているのです。水銀灯や蛍光灯には水銀が含まれているので、条約で禁止された製品に当てはまります。すでに生産を中止してしまったメーカーも多いですし、ユーザー側も今後入手できなくなるからとLEDに替える動きが加速しているという現実があったのです。なぜこんなお話しになったのか・・・実は来年博物館で使う予定のクワガタムシを探しに出かけて、強く感じたことなのだとか。もしかすると今後、夏の夜外灯に虫が集まるという風景がなくなって いくのかもしれません。
https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/

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