SSブログ

2020.0904 O.A 釧路市埋蔵文化財調査センター 澤田学芸員 「穴・アナ・あな」 [motto museum]

1.jpg 2.jpg
今回は穴のお話し。もちろん土器についている穴のこと。これは実用的なものか?デザインなのか?澤田氏は見ていてだいたいわかるそうです。土器に見ることのできる穴には、開けようとして開けた穴と、開けるつもりはなかったけれど開けなくてはならなかった穴があるそう。意図的に開けたか、否か。開けようとして開けた穴の例としては、文様として使われたものがあります。釧路の土器に描かれる文様は、木の棒などで線を引いたり穴を開けたりして描かれます。文様一つをとっても個性があるそう。小枝でちゃちゃっと描いたようなものや、枝などの先を丸くして綺麗に描くものなど様々。全面に刺突のようにザクザクとつけたものや、ピアスの様に穴を開けて装飾のワンポイントとしてあしらうものもあるそうです。内側から棒(貫通させない)を押して外側に盛り上がりをつける突き瘤と呼ばれる装飾技法もあるそう。穿孔したものは紐を通してぶら下げたとか、太鼓の膜を張った等々諸説あるそうですが、どれも定かではありません。そしてもう一つスタジオに変わった不思議な土器が・・・。これは材木・緑ヶ岡で出土した土器なのですが、澤田氏が接合していてつけていくとそこが変。穴が開いていたのです。スス焦げが残っていないので、煮炊きに使ったものではなさそうです。もしかするとお酒などを小分けする時に使ったものなのか?もちろん想像の域を脱しません。さて、開けるつもりがなくても開けなくてはならなかった穴ですが、これは土器を焼いた後から穴を開けたのです。ヒビを補修するため?昔の人が土器を割ってしまい、あるいはヒビが入ってしまったため、穴を開けて紐等で縛って補修した痕跡の様です。「ぜひ時間のある時に穴の開いた土器を穴が開くほど眺めてみてはいかがでしょう?」澤田氏からの伝言です。
https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/maibun/shisetsu/1001.html

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。