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2020.0207 O.A 釧路市こども遊学館 角田学芸員 「ジャックと豆の木」 [motto museum]

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「ジャックと豆の木」ジャック少年の家族は牛の乳を売って生計をたてていましたが、牛を売る事に。彼は街への道中で老人と出会い、牛と豆粒を交換。家に帰ると母親は激怒。豆を窓から捨ててしまいます。その豆は大きな豆の木に成長し、彼は好奇心でどんどん登って行きます。雲の上には人喰い鬼がすむ家があり、鬼の奥さんが彼が食べられない様に匿ってくれました。彼は帰る際に金貨入りの袋を盗みます。その金貨も底をつき、また雲の上に。今度は金の卵を産むニワトリを盗んで帰ってきます。それでも足りない彼は3回目、金のハープを盗もうとするのですが、人喰い鬼に見つかり、急いで豆の木を降ります。途中まで追いかけてきた人喰い鬼は落ちて死んでしまいました。その後彼は身分の高いお姫様と結婚し幸せに暮らしたというお話し。色々な解釈があるのですが、角田氏が一番興味を惹かれたものをご紹介いただきました。ジャックは助けてくれた奥さんを裏切り3回も盗みに入り、最後はその主人である人喰い鬼を殺しています。そして自分と家族は幸せに暮らす。本来なら許されない行為でも相手が人喰い鬼だから。という理由で勇気ある少年の冒険物語になっています。これがイギリス帝国の植民地支配と人種差別の考え方に似ているという見方。「ジャックと豆の木」は1890年にジェイコブスという民話研究者がまとめ、再話したものです。実はこの時代はイギリス帝国が世界中の地域を植民地化して支配していた頃。そう考えると雲の上は植民地の象徴、人喰い鬼は異教徒・異民族の植民地住民となる訳です。一方、この民話集を編集したジェイコブスはオーストラリア出身のユダヤ人。ジェイコブスはこの話を再話することで帝国主義、人種差別に一石を投じたかったのかもしれません。昔話、物語等には実はそんな深い意味が隠されているものが多いのですね。
http://kodomoyugakukan.jp/

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