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soil and stone [path-art]

京都宇治市在住の福井安紀氏は、土や石を粉にして絵を描くこと約30年。主に板に描いていますが、当初は紙に描いていたそうです。
でも紙に絵を描くとバックを描く事が必要になり、板なら対象物だけを描く事ができると思ったのがきっかけと。
なぜなら、土や石は貴重なものだから。バックは面積が大きいし、単調だから、絵の具にするときの気持ちも盛り上がらなかったのです。
逆にいうと、石にしても土にしても悪いな・・・と思ったとおっしゃっていました。
よく考えてみたら大昔の絵にはバックを塗っていないのです。例えばラスコー洞窟の絵や絵馬も。
板にたどり着くまでは金属の板に描いたり、河原に落ちている石に描いてみたりもしたそう。
京都の宇治市に住んでいらっしゃるので、身近にあったのがお茶を入れる茶箱。その茶箱に使う杉の板を分けてもらったのが最初。
十分に乾燥している板を使います。箱やさんでも7年位乾かすそうで、それを分けてもらった後さらに3年位乾かすそうです。
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全国色々なところに出向き、そこの土地のものを使って絵を描いています。
意外と自分たちが日々足で踏んでいる地面の色について認識していないと思うそう。
なので、絵にすることで、例えば釧路の砂浜の色はこんな色。湿原の土の色はこんな色。
土地に人にとってそれが意味のあるものになり、新しい発見につながるんじゃないかと思うとおっしゃっていました。
「風土という言葉がある様に土の色がそのまま土地を表している可能性も高いので、そういう事を少し意識するだけでも楽しい事になるんじゃないかな」
今の私たちは色々な色に囲まれて生きています。でも大昔の人はそこにあるもので自分が経験した色の中で綺麗だなと思う色で表現したと思うのです。
だから大昔っぽい原始的な喜びみたいなものと直結している気がする・・・と福井氏。
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「アートとはとにかく美しいもの。
美しいとは・・・

何々だから何々という順接的なつながりで得られた結論というのは
あまり美しいとは思っていません。
逆接的で繋がるようなものが美しいと思うのです。
お金があるからフェラーリに乗るのではなく、
お金がないけどフェラーリに乗るみたいな。
その方が価値があるように感じるのです。
そういうものがアートだと思います。」

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