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2021.0129 O.A 釧路市立博物館 城石学芸員 「アイヌの編み物のこと」 [motto museum]

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編み物と織物の違いってわかりますか?難しいですよね。技術的な定義としては、織物は縦糸と横糸があり、その縦糸にテンションがかかっているもの。テンションがかかっていないものが編み物とされているそうですが、そう簡単には割り切れるものでもなさそうです。ところが、アイヌ語の場合は、作る対象物によって呼び方が変わるそう。例えば、シタイキは織り機で作るアットゥシ等。オシケは、編み袋とか帯等。テセはゴザ。とてもわかりやすい感じがします。その編み物に使う道具がとても変わっていると思ったのですが、ゴザを編む場合、石をおもりに使い単純作業の繰り返しで徐々に編んでいきます。ゴザは日常生活にも儀礼にも欠かせない道具。材料には、ガマやフトイ等の植物を主に使います。模様を入れる儀礼用には、赤や黒、茶色の布や染めたオヒョウ・シナの繊維を編み込み、編むための糸には、伝統的にはオヒョウの繊維から作った糸などを使ったそうです。模様は線対称のものが多く、装飾的に描かれたものの様です。編み袋も基本実用的なので、模様がないものが多いのです。山へ山菜を採りに行った時にそれを入れたり、狩猟をした際に切り分けた肉等を入れたりもしたそう。現在はお土産用として刺繍や毛糸を使った模様が入っているものもあるそうです。編み物の素材としては、ガマ、ブドウの蔓、オヒョウ、シナなどの植物繊維を使うことが多く、現在は新しい素材としてビニール製のものや毛糸なども使われているそう。織る・編むという伝統的な手仕事の技術、そしてその技術を用いて作られた品々。そこにはそれを使う相手へのアイヌ女性の様々な思いが込められていると感じるのは私だけではないでしょう。
https://www.city.kushiro.lg.jp/museum/

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