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2020.0522 O.A 釧路市立美術館 武束学芸員「雨過天青」 [motto museum]

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台北に調査に行かれて出会った青磁。穴があくほど見つめ、眺めてきた様子。今回は故宮博物院のことをアツく語ってくださいました。故宮博物館、白菜や豚の角煮が有名。たくさんあるコレクションの中から陶磁器コレクションに目を惹かれたそうです。清の乾隆帝は在位60年という長い期間に自ら文物の考証を行い、大規模な人力や物資を投入して、清朝宮廷のコレクションを築き上げました。ですからものすごい数の素晴らしい品々が展示されているのです。特に気になったものが青磁。国営の陶磁器製作所の中でも最高と言われる汝窯の作品。現在の目でみるととてもシンプル。でも当時は釉色とカタチのデザインが特に重視されていたことがわかると武束氏。汝窯の青磁は「雨過天青」の色。これは雨上がりのしっとりとした水気を含んだ空の色のことをいうそうです。中国青磁の最高峰とも、人類史上最高の焼き物とも呼ばれるそう。青よりも白く、やや灰色を帯びていて、気持ちを鎮めるような穏やかな青です。それを見る限りでは、とても薄い作りの焼き物で、手に持った時の質感と重さを妄想するのも楽しかったと。汝窯のものは世界で現存するものは70点あまりしかないそうです。この窯は稼働した年が約20年と短命でした。また宋代の五大名窯中、定窯が民営である以外は北宋後期以後に建造された政府の窯だったのです。さて、焼き物には繊細な文様が描かれたものも多くあります。意味として知っておいて損がないものは・・・龍の爪の数と。中国の焼き物では龍の爪の数は所有者の身分の違いを表すそうです。5本の爪の龍は皇帝への献上品。4本は貴族への献上品。そして3本は庶民用。もし家に5本の爪をもつ龍が描かれているものがあれば、中国王朝のお宝もしれません。
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