SSブログ

become one with the tree [path-art]

IMG_6456.jpg IMG_6458.jpg IMG_6459.jpg IMG_6463.jpgIMG_6466.jpg
木の中に入り、木をチェーンソーで彫り続ける。そんな藤原千也氏のアトリエにお邪魔しました。
とにかくここは何をするところ?と思えるくらいに大きな木材が、作品とともに横たわっていました。
以前お話を伺ったのは10年前。その時は木を薄く削って舟みたいな形にして立たせて、そこに光を通してみる感じの作品でした。
現在は、もっと原点に帰り、木を横に倒して、木が立っていた先端、上側から自身がチェーンソーを持って入り、4mくらいを彫り進むといったスタイルです。
大学院に進むチャンスがあり、そこで円空の研究を始めたそうです。
「江戸時代の円空等の木への向き合い方、それは、木の中に魂があるから彼は木の中心部分を顔にする仏像が多いんです。自分も同じ様なことを感じていて、木に穴を彫り、自分は木の中の魂を解放することで木と自分がつながることができるのではないかと思ったのです。
学生時代に思っていたことがやっと形になったのかな。学生時代はただただ木に穴を掘るというか、木を彫りたいだけだったんですが。
小さい頃のマンホールとか、土管の中に入って遊ぶようなそんな体験が残っていて、それを今やっている感じですね。」
とにかく木と戯れ一体化している・・・もちろん真剣に真摯に向き合って制作なさっているのですが、私にはそう感じました。
木の気持ちをよくわかっているのだと思います。木がどうしたいのか?それを会話しながら彫り進めている感じでしょうか。
「木の中に入ってどんどん彫っていくと、木の年輪がずっと続いているのが見えたり、あとは匂い、湿度を感じます。木は生の時って濡れてるんですよね。
体がビッチャビッチャになるけど、でもそれも気持ちよいというか、木と自分が話している気になるんです。」
木の中に入って作業している時ってどんなことを感じているのでしょう?
「気持ちよいとも違うし・・・木の苦労のあとがわかるんですよ。年輪がグワ〜〜っとなっていたり、彫りにくい場所もあり、硬いところがあったり、柔らかいところがあったり、腐っているところがあったり、その木の人生じゃないけれど、それをずっと自分が教えてもらっている感じがあり、それは外側をノミで彫っている時には全然感じることができないものでしたね。」
ずっと木と一体化したいという想いはあったそうです。木の話を聞きたい!みたいな。
現在、木の外側は、川石や斧を使って摩滅させて、木の繊維質を出しています。
木そのもの、繊維質そのものを出したいという気持ちもあり、そういう手法をとっているそうです。
「木の割目から光が漏れる。そこに自分と木の生きてきた時間やこの後の生命、巡り巡っていくものを感じる。」
IMG_6468.jpg IMG_6469.jpg IMG_6470.jpg IMG_6473.jpg IMG_6474.jpg
IMG_6475.jpg「彫刻って形をかぎっていく作業。かぎりながらも限りない世界に出ることのできる瞬間があり、そこに自分は何かを感じる。
今そこに一番近づくことができていると思う。」
木のお話をしている時の藤原氏の楽しそうな愛おしそうな眼差し。
これからもおそらく木と格闘し、一体になり、模索し、悟りや癒しを感じる空間を
ご自身で作られていくのだろうと感じたのはいうまでもありません。


(はこだてトリエンナーレの出展は6/28から7/22まで木古内町 いかりん館)
(JRタワー アートボックスの出展は8/30から11/28まで)

Facebook コメント

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。