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visualize what you can't see・・・akira wakita1 [path-art]

002.jpg 今回は美術家であり、計算機科学者であり、
慶應義塾大学 環境情報学部長 教授の脇田玲氏のインタビューをお送りします。
以前初めてお会いしたのが2014年のことでした。
サイエンスとアートの狭間というか、
これがアートなの?と頭の中が?マークでいっぱいになったことを思い出します。
その後様々な活動を続けていらっしゃる様子はSNSで拝見していたのですが・・・。

現在は、ケミカルな化学反応が促進されて空間に広がっていく様子を
コンピューターでシミュレーションしてそれを映像化することをなさっています。
見るひとにとっては・・・衝撃波が広がる。穏やかななみに見える。等々
見る人の経験や心理状況によりいかようにも解釈できる様なものにしたかったと。
脇田氏個人としては2020年の東京をテーマに制作なさったそうです。
制作のテーマは毎回違うそうですが、作品の会場が相当影響しているそう。
この写真は香川県父母ヶ浜の海岸にスクリーンを海の中に設置したインスタレーション。
一貫したテーマは、目に見えるものは幻では?と思う方が多い中、目に見えないものを可視化する。
「絵筆やキャンバスは使わないけれど、自分のことは画家だと思っています。
現代の画家はコンピューターを使って制作する・・・」見えないものの中のリアルさを追求しているのでしょう。
先端科学の知見やモデルをアートを通してインターフェイスさせることを意識しているとも。
入り口は科学でした。なぜアートへの道を進まれたのでしょう?
実はお会いした後に死を意識する病気に罹患し、それから世界が変わったそうです。
本当にやるべきことは何か?が見えてきたとおっしゃっていました。
「世の中にある色々な知見・知識・考え方・美意識等々、自分なりに解釈して納得して死にたいと思ったんです。
科学者は自分の専門分野のごく一部しか詳しくないと思います。その自分の専門以外を超えた世の中の様々な科学的な知識を自分なりに咀嚼して
その素晴らしさ、面白さを他の人と一緒に共有したいと思ったのです。科学の知見をアートを通して表現していくことが1番自分にできることではないかと。
それをすることで、納得して死を受け入れられると感じたんです。」
※尚、写真は脇田玲氏からお借りしました。

lines and watercolors [path-art]

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あらゆる意味での線にこだわった作品展です。
今回は輪郭、フォルムの線というよりは、色を塗っていく時の線に注目です。
ご自身でもあまり意識はしていなかったみたいですが、生徒さんに言われてハッと気づいたそう。
現在は札幌で美術教師をしながら、ご自身の制作活動もなさっています。
最初のイラストは動物とアルファベットをテーマにしたもの、その後お魚やパン、お菓子などをモチーフに描かれてきました。
当初から比べるとご自身曰く「余計な線がなくなったかも。。。」と。より写実的な作品になった感じがします。
イラストを描くきっかけは、欲しいと思ったものが探してもなかったので、自分で作ってしまったというもの。
今回に関しては、引っ越した先の壁が白くて、毎日見ても見飽きない何かが欲しいということで描き始めたそうです。
使っている画材は以前から変わっていません。リサテイストは描く作品が変わっても伝わってくるのが不思議です。
得意な色はアースカラー。釧路の秋から冬にかけての色なので、今後はその色はばを広げていきたいそう。
また、以前お話しを伺ったチョークアートも拡大させていきたいと思われています。
「コーヒーを飲みながら・・・気軽に楽しんでいただけると嬉しいです。」
彼女を知っている方も初めての方も、ほんわかゆる〜い優しさを感じる空間を感じていただければと思います。
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(ヒグチリサ「紡ぐ色彩」展は2/14までタリーズコーヒー釧路店 カフェギャラリーで開催中)

means of expression [path-art]

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最初に出会ったのが、写真をコラージュし、間伐材の額に入った作品でした。
写真なのか?抽象画なのか?不思議な感覚を覚えた小野敬大氏の作品たち。
実は様々な作品を作られているそうです。
パステルだったり、小説だったり・・・。
無造作に感覚的に良いと思った写真をパソコンに取り込み、それをコラージュしたり。
別に写真が好きというわけではないそうで、あくまでそれは手段でしかないのです。
自分を表現するものとして。
自分の中にある言葉にできない感情を出したい。
まだ、現在21歳という若さなのですが、色々な死に出会ったそうで、死と美をテーマにした小説が一番取り掛かっている中でも長い作品とのこと。
一番最初に感動を覚えたのが池田良二氏の作品展、その後ゴッホにも惹かれ・・・
それからフランスとスペインに行き、ダビンチやピカソの作品に触れ、三島由紀夫にも影響を受けています。
まだまだ色々なことを吸収する、まるでスポンジの様な状態なのかな?とも思いました。
もちろん、地元阿寒湖畔の彫刻家の作品にも最近興味はあるそうで、今後、立体にも触手は伸びていくのかも知れません。
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※尚、写真は小野敬大氏からお借りしました。

ikeda midori exhibition [path-art]

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池田緑氏の集大成とも言える展覧会です。釧路ゆかりの作家でもあります。
帯広の高校で国語の教師をなさっていました。50歳で教職を辞し、そこから本格的に制作の道へ。
一番最初は油彩のジーンズ。ジーンズを青春のシンボルと捉え、様々な作品を作られました。
そして、プラスティックテープを使った作品では、時の経過等、自己を見つめる時間を想像させる作品を。
マスクを使った作品では、環境汚染に警鐘を鳴らす作品を展開。
展示では、素材とテーマ毎に分けて展示されているそうです。時代毎にジーンズ、プラスティックテープ、マスク、言葉、映像と大きく5つに分かれています。
時代により制作なさってきた素材、テーマは違うのですが、一貫したものとして、時間・自分・社会。
自己と他者との関係、それを時間軸で見て作品にする・・・というものがあると薗部学芸員。
私達の身近にある品々。テープやマスク。それを使ってアートに昇華させる着目点は素晴らしいと思います。
マスクの作品は彼女が意図しないMERS、SARSの流行と同時期に制作発表。さらに今回のCOVID-19の現在にもマスクは欠かせないものとなりました。
当初は環境汚染に警鐘を鳴らすものだったのですが、さらに幅が広がった感じです。もっともっと大きなもの。
そこから派生する色々を受け取った各自が自分で考えなければならない・・・。
難しいことは考えずに感じるまま・・・作品と対峙することで自分と向き合う時間ができると感じました。
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※尚、写真は北海道立帯広美術館 薗部容子氏からお借りしました。
(池田緑展は2021年3/21まで北海道立帯広美術館で開催中)
※北海道立帯広美術館は12/29〜2021年1/3までお休みとなります。

colorful ran [path-art]

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動物たちの目となり、声となりたい。
動物たちが見ている世界をテーマに動物と模様を組み合わせた絵画を制作し続ける寺島蘭氏。
大学生の時にお話しを伺ってから何年経ったことでしょう。
彼女は現在、釧路市内の中学校で美術の教師もなさっています。その傍ら制作し続けた作品たち。
だいぶ変わってきた感じがしました。
ただ、根底にある何かは不動なのかもしれません。。。どこかで憧れ、心惹かれる動物たちの圧倒的な何かを表現する。その雄大さ、偉大さ。
そこに向かう姿勢は現在も変わらないものかもしれません。
画材や紙質、サイズ、出力の仕方に変化があるのですが、彼女自身、まだまだいろいろなことに挑戦し続けています。
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見えない世界、興味のある世界、知りたい世界を探求し続けている感じがします。
描かれた作品からは、生命の繊細さと模様の緻密さにリンクしている気がするとも。
教師として過ごしてきた1年半。その日々が作品の変化に大きく影響を与えているとおっしゃっていましたが、作品を拝見していて私もそう感じました。
ぜひ近くで色々と感じていただければと思います。
作品を目の前にすると伝わる何かに出会える・・・
(RAN TERASHIMA EXHIBITION Ⅳ展は12/27まで釧路市柳町 喫茶店 珈路詩で開催中)

book jewel [path-art]

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どれもこれもがまさに芸術品。
確かに絵本というよりあらゆる素材を駆使して、技術の粋を集めた作品です。
ある意味実験的にといった表現がふさわしい感じがするものも・・。
ほぼハガキ大くらいの大きさの絵本の数々。
ただ、ものにより重さがまちまち。
というのは、そこに使っている素材の違いなのです。
まるでスポンジみたいなものや
ガラス板を使ったカラフルなもの、
寄木細工を使ったもの、
螺鈿等々。
確かに宝石と呼んでもふさわしいくらいのまばゆい光に彩られたもの。
おそらく武井武雄の後に続くこの様な制作をする作家は出てこないと感じます。
小さな世界に広がる奥深い世界。
そしてそこに使われた技術の全て。
見応えがありすぎると感じた作品展です。
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(本の宝石 武井武雄の刊本作品展は12/20まで釧路市立美術館で開催中)

embroidery and beads decoration handiwork 03 [path-art]

第3弾の今回は、サハ、カザフ、そしてサミのコレクションです。
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ロシア、モンゴル、フィンランド、スウェーデンを想像して作品をご覧いただくと、よりイメージすることができるかもしれません。
サハはとても馬を大事にする民族という事で鞍のカバーにも素晴らしい刺繍が施されています。
また、カザフの遊牧民はゲルの中にほぼ全体に刺繍を施し壁掛けを作りました。
途中でやめてしまったのかな?という作りなのですが、これには永遠に続くという意味が込められているそうです。
そしてサミはすず糸を作り、それで巧みな刺繍を・・・。
サミのビーズはとても細かく小さな玉を使い作られています。
私は一連の作品を通して、作った方の想い、そして、そこに託されたものが目には見えない何かとして伝わってくる不思議な感覚を覚えました。
ビーズのはなやぎ 刺繍の美展は2021.1/20まで北海道立釧路芸術館で開催中)

embroidery and beads decoration handiwork 02 [path-art]

第2弾の今回は、ニブフ、ウイルタ、サハリンアイヌ、コリヤーク、ツングース諸民族のコレクションです。
ほんの一部ですが、ぜひホンモノを芸術館でご覧いただければと思います。
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狩猟とともに生きた人たち、海に生きた人たち。
それぞれの暮らしの中で培われてきた技術。
私たちが想像できないくらいの厳しい自然の中で、生きるために動物たちの毛皮や皮を利用し、そこに装飾を施したのです。
まさに、衣食住が自分たちの生死に関わる中で、どうしてこんなに美しいものが生まれたのでしょう。
でももしかすると、だからこそ・・・なのかもしれませんね。
(ビーズのはなやぎ 刺繍の美展は2021.1/20まで北海道立釧路芸術館で開催中)

programing & life cross mind [path-art]

自分たちでプログラミング。
音をつけ、映像表現をした作品展が開催されます。
北海道教育大学附属釧路中学校の3年生の映像作品展です。
テーマは・・・コロナ禍を生き抜く人々を思う
初めての体験に取り組んだ結果、素晴らしい作品がたくさん出来上がりました。
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先生も生徒も初めて。立体を作る、絵を描く。そこには自分の思いが手を伝わり形となってあらわれます。
ところが、文字だけを使い何を表現し、それをどう動かすのか、さらにそこに音を加えて・・・。
戸惑いもたくさんあったことと思います。苦労もしたでしょう。
ただ、今までできなかったことができた喜び・達成感はそれ以上に大きかった感じです。
このプログラうは美術科・技術家庭科・音楽科・数学科でのcrossカリキュラムの一環として取り組まれました。
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先生にとっても今後の広がりを感じた今回の取り組み。
多くの方にご覧いただきたい展覧会です。
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「私たちの日常が大きく変わり、直接的な触れ合いができない環境となった。
でも、人々との心の触れ合いはなくならない。
様々な人と心を繋ぐために挑戦したプログラミング絵の映像表現。
多くの人々に向け、語りかけたい。」
ポスターに描かれた文章です。
ここに思いが詰まっているとインタビューを終えて感じた私でした。
北海道教育大学附属釧路中学校 美術(更科結希氏)、技術(柴田題寛氏)、
代表して3人の生徒さん(南さん、宮北さん、神谷さん)にインタビューさせていただきました。
尚、上記作品は、南さん、宮北さん、神谷さん、そして更科先生のものです。
(Art and We 北海道教育大学附属釧路中学校 中学3年映像作品展〜コロナ禍を生き抜く人々を思う〜は
11/21から11/23まで北海道立釧路芸術館 フリーアートルームで開催)



embroidery and beads decoration handiwork 01 [path-art]

網走の北海道北方民俗博物館のコレクションは8000点もあるそうですが、その中から今回は刺繍とビーズにターゲットをあてた作品を200点ほど。。。
民族ごとの紹介になっています。まずは北海道アイヌのコレクションから。
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この中でも白い感じのベースに刺繍されたカパラミプはあまり目にする機会がないものかもしれません。
その背中にターコイズブルーのひときわ目立つ色が・・・。首飾りに使われている同じ色のガラス玉との関連性はあるのでしょうか。
そして、北米先住民へと展示はうつります。このコーナーでは、エスキモーやイヌイットと呼ばれる人たちの作品が展示されています。
皮に可愛らしいビーズの刺繍が施されたものは男性の着衣。モカシンにはヤマアラシのトゲを使って施された模様も。
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9.jpg 10.jpg ビーズで作られたケープ。
ものすごく細かく鮮やかな模様が広がります。
作られた年代がだいぶ昔のものでもデザインが斬新。
今でも売っていたら思わず履いてみたくなるものがたくさん目につきます。
民族ごとの違いが見えてきます。
刺繍が得意だったのかな?とか、
ビーズを多様して精密な形を作っているな?とか、
どうやって作業していたのかな?とか
目から入ってきた刺激が頭の中でグルグル・・・。
一つ一つじっくりと眺めていると、作った方の想いやその姿が
イメージできる感じがしてきます。

(ビーズのはなやぎ 刺繍の美展は2021.1/20まで北海道立釧路芸術館で開催中)

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