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mono・hito・manazashi [path-art]

居串佳一《静物》.jpg 小野州一《黄色いポットと果物》.jpg 小野州一《花》.jpg 扇谷章二《室内のある静物》.jpg
どこかで見たことのある風景が・・・
自分の部屋に入ったような感覚が・・・
感じられる展覧会です。
室内の風景や人物、卓上の草花や果物が独立した絵画の主題となったのは、17世紀のオランダ絵画からと言われています。
室内画、特に静物画に描かれるモノの配置などは作家の意思に左右されるため、その作品には描いた人の対象物へのまなざしが強く表現されていると・・・。
今回は、美術館が所蔵する作品を中心に、卓上の果物や室内でくつろぐ人物など、室内を舞台とした作品を紹介しています。
モノやヒトへの作家のまなざしを感じ取ることができる内容です。そこからご覧になった方には日常への風景を見つめ直すきっかけにもつながるかもしれません。
モノへのまなざしは・・・
花や果物、対象とするモノはほぼ同じでもその表現方法は様々。
例えば、居串佳一の「静物」に描かれる果物は、濃く力強い色彩で立体的であるのに対し、
鶴岡政男の「イチゴのある静物」の果物は、柔らかな色彩で平面的。
また、小野州一の「黄色いポットと果物」は、淡い色彩で果物が抽象的に描かれています。
描いた作家のモノへのまなざしを比較することにより、それぞれの作品の独自性を楽しむことができます。
ヒトへのまなざしは・・・
人物を主題とした絵画の歴史は古く、17世紀以前の西洋では絵画=人物画であったと言われるほど。
扇谷章二の「室内のある静物」は、トランプが散らかっているテーブルでまどろむ少女とぬいぐるみを抱く少女の様子が描かれています。
同じ扇谷章二の「回想」は、旅で求めた品々を眺め、どこか寂しげに思い出に浸る女性の後ろ姿が描かれています。
私的な空間で見せる人物の微妙なおもむきを描いた作品、作家のまなざしはどこに向けられているのでしょう。
(私の部屋で〜室内・静物〜展は12/22まで釧路市立美術館で開催中)

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