SSブログ

2021.0122 O.A 北海道立釧路芸術館 熊谷学芸員 「拝むだけじゃない仏様」 [motto museum]

1.jpg 2.jpg
仏様といえば、お寺の仏像をはじめとして美術館や博物館では見るもの、拝むもの・・・というイメージです。ところが、見る・拝むにとどまらず、今回は使われてきた仏様のお話しです。スタジオにお持ちいただいたのが、「山越阿弥陀図」。鎌倉時代につくられた仏画の形式の一つです。その山越阿弥陀図の中でも有名な「金戒光明寺」には大きな山の向こうから姿をのぞかせる阿弥陀仏が描かれているのですが、左右の手はそれぞれ親指と人差し指で輪を作り、胸の高さまであげています。これは説法しているところという事を示すポーズです。そしてその指先には糸の痕跡が・・・。この糸は臨終を迎える人の手と繋いだものなのだそう。この作品はかつては屏風仕立てだったそうです。枕元にこの屏風を立て、糸を握ることで、阿弥陀仏と繋がることができるという感じでしょうか。極楽浄土へ連れて行ってもらえるイメージです。さらに阿弥陀仏は高いところから下を見下ろすような目をしています。床に伏せている人と目があう仕組みになっているのです。この様な仏画の他に、実際に仏像にも同じような糸がつけられているものもありました。「法然上人絵伝」には臨終を迎える法然に、仏像に結んだ紐を手に取るように弟子が勧めている場面が描かれています。ところで、芸術館で去年開催された毛綱毅曠展にも似たような作品があったのをご存知でしょうか?「建築古事記 天の浮橋」というタイトルがついた作品です。夕焼けのオレンジ色の背景がとても印象的だったもので、近未来的な構築物から顔を出す仏様の姿が描かれていました。それを山越阿弥陀図と比べると結構似ているそうです。おそらく毛綱氏が仏教美術史にも精通し、作品世界に取り込んでいたことを示しているのでは・・・と熊谷氏はおっしゃっていました。
http://www.kushiro-artmu.jp/

Facebook コメント

2021.0121 O.A 邦楽visualize what you c.. ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。