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2020.0424 O.A 北海道立釧路芸術館 熊谷学芸員 「仏さまのカタチをしていない仏さま」 [motto museum]

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仏教の祖であるゴータマ・シッダールタ(釈迦)は紀元前5世紀ころの人物。その頃から仏教ができて今に至っています。実は仏像が作られないまま信仰される時代(無仏像時代)を経てから仏像が作られる様になったそうです。というのは、最初は仏像は作ってはいけないものだったのです。仏は人間を超越した存在と考えられています。ですから仏像が作られる様になるまでの間は「仏を表現するなんて恐れ多くてそんな事はできない」という考え方だったのです。ただ、そうは言っても釈迦の人生を壁画やレリーフにするなど造形活動は行われていたそう。では、表現してはいけない仏をどう表現したのでしょう。例えば菩提樹を使ってその周りには拝む人々がいる図。釈迦が菩提樹の下で悟りを開いたとされている事によります。また、足跡。これは仏の周りの人たちが足跡を拝んでいる図。仏様の足の裏には特別な模様がついていて、普通の足跡ではない事は明らかです。さらに車輪(法輪)。仏の教えが車輪の様に遠くまで広まっていきます様にという意図が隠されています。また傘というものもあります。高貴な人しか傘をさすことが許されていなかったことから釈迦の象徴になったそうです。ということで、仏の姿をブッダを象徴するモチーフに置き換えて表現していたとのこと。写真を見せていただいたのは車輪と菩提樹がモチーフになったもの。紀元前2世紀頃のものだそうですが、とても状態が良い感じで彫りが深く、詳細に表現されていました。木の様な色に感じたのですが、これは砂岩に彫られたものだそうです。知らないうちに風化したり、戦争で亡くなってしまったものもたくさんあると想像できるのですが、写真のものはとても綺麗でした。
http://www.kushiro-artmu.jp/

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